ニキビができる仕組み 【前文】
ここでは、ニキビ(または、吹き出物とも言います。)ができる仕組みを解説していこうと思います。
現在では、
思春期の10代に限らず、20代以降になってもニキビができる人がいます。
いわゆる「大人ニキビ」のことですね。
この10代にできる思春期のニキビと、20代以降にできる大人ニキビは、
原因が異なるので、それに合った解決策を行う必要があります。
そして、今回は、まず、にきびがどのようにしてできるか?
そのニキビができる仕組みを理解し、それぞれの悩みに合った解決策を示していこうと思います。
10代にできる思春期のニキビも、20代以降にできる大人ニキビも、「ニキビができる仕組み」自体は同じなので、
解決の糸口にして頂ければと思います。
第1段階目: ニキビができる 「きっかけ」 が始まる
それでは、実際に「ニキビができる仕組み」を解説していこうと思います。
ニキビができる仕組み・順序・段階というのは、
簡単に書いたり、細かく書いたりすることによって、変化するので、一概には言えませんが、当サイトでは「6段階」という構造で、ご説明させて頂きます。
まず、第1段階では、
乾燥肌や、男性ホルモンなどの原因によって、表皮(表皮の解説ページへ)の1番上である角質層の角質が厚くなり、毛穴の出口を封鎖するように閉じてしまいます。
(余談ですが、スキンケアに詳しい方なら、この閉ざした角質が古い角質で、それをピーリングでキレイにするということに気づくかもしれませんね。ピーリングについても解説していきます。)
そして、閉じてしまった毛穴はどうなるかというと、
もともと毛穴の出口は細く、その中に肌の内側から皮脂がどんどん出てきて、たまっていき、
毛穴が皮脂で詰まってしまいます。
これが、最初に起こるニキビの仕組みになります。
この段階では、まだはっきりと目には見えません。
そして、ここで重要なことが1つあります。
ニキビを治そうとしている方の中で、早く治したい気持ち一心で、塗り薬を何度も塗ったり、必要以上に多く塗ったりする人がいます。
実は、さきほども申し上げた通り、この段階では、角質が厚くなり、毛穴をふさいだり、狭くします。
そのため、既にここに至った段階で、塗り薬などは浸透しにくいと言われています。
勘違いしてほしくないのは、
塗り薬を否定しているわけではなく、毛穴の奥まで浸透しにくいということです。
もちろん、塗り薬で治ることもありますし、私自身もニキビの塗り薬で治った体験もしています。
つまり、何が言いたいかというと、
「早く治したい!」、「何日も経ってるのに治らない!」という方に必要以上に塗り薬を使ってほしくないと言いたかったのです。
第2段階目: 面疱(めんぽう・または、英語でコメド)ができる
さて、次はニキビの仕組みである「第2段階目」のお話です。
この段階では、
毛穴が皮脂に詰まり、少し膨張します。
詳しく言うと、さきほど、毛穴の出口が狭くなり、皮脂がたまり詰まると言いましたよね。
つまり、このたまった皮脂をエサに「アクネ菌」が増殖して、毛穴が炎症を起こします。
この段階に至ると、目にも見えるようになります。
では、一体どんな炎症を起こすのか?
はい、この少し膨張したのが、面疱(めんぽう)といいます。
英語では「コメド」とも言われています。
面疱には、2種類あって、「開放面疱」と、「閉鎖面疱」があります。
1:「開放面疱」とは?
開放面疱とは、まだ少しだけ毛穴の出口が開いている状態で、その毛穴に黒いボツッとできたもののことです。
いわゆる「黒ニキビ」と一般的に言われています。
2:「閉鎖面疱」とは?
閉鎖面疱とは、「開放面疱」と違い、毛穴の出口が閉まっている状態で、
いわゆる「白ニキビ」と一般的に言われています。
こちらは、開放されているものと比べると出口がふさがれている状態なので、黒ニキビである「開放面疱」より、
「閉鎖面疱」のほうが、炎症がひどくなりやすいです。
ここでも、重要なことを申し上げます。
よく、「ニキビはつぶさないほうが良い!」といわれていますが、これは半分正解で、半分間違っています。
どういうことかというと、
この「黒ニキビ」、「白ニキビ」の段階ならば、上手に芯だけをプチュッと押し出した方が、
かえって炎症が治まり、ニキビ跡にもならず、綺麗にニキビが治ることもあります。
しかし、「上手に押し出す」といったように
やはり、ここは皮膚科の先生などにお任せするのが最も良い方法だと思えます。
第3段階目: ニキビに炎症が起こる
次は、「第3段階」になります。
ここまでの段階に至ると、はっきりと目にも見えるようになり、また悩みを抱える段階になるのではないかと思います。
この「第3段階」では、「第2段階」の黒ニキビ・白ニキビがさらに悪化した状態になり、ニキビが炎症を起こします。
「第2段階」までにたまった皮脂を栄養源にアクネ菌が、毛穴の中でどんどんと繁殖していき、やがて膨張し、毛穴が赤く腫れ上がった炎症を起こします。
いわゆる「赤ニキビ」と一般的に言われています。
この時点で、
毛穴の中に白血球が集まり、アクネ菌と戦います。
これは、どういうことか?
白血球とは、
体の健康を守ってくれる「体の仕組み」のことで、病原菌や、刺激、異物などが、外から体内へ侵入してきた場合、または、自分の体内で発生した場合、それらを取り除き、体の健康を守ってくれる「防御システム」のようなもののことです。
この白血球が、毛穴の中に集まってきて、アクネ菌を攻撃し始めます。
その結果、ニキビは炎症を起こし、赤ニキビとなるのです。
ここでも、1つ言っておきたいことがあります。
この「アクネ菌」、みなさんどういうイメージをお持ちでしょうか?
「アクネ菌が、ニキビの原因だから、きれいに取り除きたい」
など、ほとんどの方が、アクネ菌はニキビの原因で、あまりよろしくないイメージを持っている人が多いと思います。
しかし、アクネ菌は悪い菌ではない!
実は、一方的にアクネ菌は、悪い菌ではありません。
アクネ菌は、確かにニキビの原因であることは間違いないですし、ここまでのお話を聞いて頂ければ、それがわかると思います。
しかし、本来アクネ菌とは、「常在菌」なのです。
常在菌(じょうざいきん)とは、日常的に体に生息している細菌のことです。
つまり、アクネ菌とは?
肌表面のバランスを守り、正常に保つよう働いており、お肌へ貢献している菌の一種です。
ですから、
「ニキビは、アクネ菌が悪い!」といって、余計に何度も洗顔をしたり、強く洗ったりしても、お肌が荒れるばかりです。
あくまで、
必要な分だけ綺麗に洗顔すること!
アクネ菌をすべて殺菌してしまうわけにはいかないのです。
このアクネ菌は、
思春期以降の男女の皮膚には、ほぼ100%住みついていると言われています。
ちなみに、このアクネ菌は、空気があるところでは生きられない菌です。
なので、空気のない詰まった毛穴の奥などに繁殖します。
第4段階目: ニキビの炎症が悪化して、膿を持つ
続いて、 「第4段階」 になります。
この段階では、
「第3段階目」 で炎症を起こしたニキビが膿を持ちます。
赤く腫れ上がり、
真ん中にポツッとブヨブヨした黄色い物ができてしまいます。
いわゆる 【黄ニキビ】 と言われています。
第5段階目: ニキビとなった周りのお肌にまでにも、炎症が及んでしまう
次は、 「第5段階」 になります。
ここまで来てしまうと、
膿を持った黄ニキビがさらに悪化し、ニキビとなっているその毛穴が壊れてしまいます。
毛穴が壊れると、その壊れた毛穴の周りにある毛穴にも炎症が広がり、
いくつかの毛穴にまたがったような大きなニキビになってしまいます。
この 「第5段階目」 までになってしまうと、
外見からは、かなり目立ち、熱を持った硬いしこりのようなニキビになります。
第6段階目 (最終段階) : ニキビ跡 (もしくは、ニキビ痕) になる。
最後が、この 「第6段階」 になります。
この段階では、炎症したニキビが、
なんらかの原因でつぶれ、 【ニキビ跡】 になってしまいます。
この 【ニキビ跡】 というのは、実は3種類あります。
その3種類って何?
その3種類と言うのは、
- 【赤みのある】 ニキビ跡
- 【色素沈着】 ニキビ跡
- 【陥没したクレーター】 ニキビ跡
以上の3種類です。
それぞれ、対策方法があるので、
そのニキビ跡に沿った対策をする必要があります。
対策方法は、こちらのページで解説しております。(現在、工事中、近々更新間近)
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このページでは、
ニキビの仕組みをテーマにしておりますので、
治し方は、別のページとなります。
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それでは、1つずつご説明していきます。
1つ目は、【赤みのある】 ニキビ跡です。
このニキビ跡は、
炎症したニキビが治まった後に、赤い跡がポツッとできる状態になります。
ニキビの進行具合により、
この 【赤みのある】 ニキビ跡もひどくなるため、顔が赤ら顔のように見えてしまいます。
2つ目は、【色素沈着】 ニキビ跡です。
1つ目の 【赤みのある】 ニキビ跡が進み、
茶色くシミのような状態になります。
3つ目は、【陥没したクレーター】 ニキビ跡です。
これは、名前の通り、 「クレーター」 と呼ばれているニキビ跡です。
このニキビ跡は、
3種類の中でも1番症状が悪化している状態で、
第5段階目のようなニキビの炎症が、周りの毛穴にまで及ぶほど、悪化してしまうと、
こういった 「クレーター」 が残ってしまいます。